4月のクリエイティブライブラリーお題は谷崎潤一郎「小さな王国」、1919年に刊行された同名の短編集に収められた表題作。

 時はロシア革命終結期、中国旅行帰国後著された短編集「小さな王国」は無思想耽美派の極みとされる谷崎の作品群に有って貧困を描き、兌換通貨の時代に仮想通貨を持って資本主義の矛盾を突きその後の世界恐慌まで予期したようにも取れる内容に、今でも様々な政治的思想的背景に立つ論者がそれぞれの立場で論評を加えてますが、谷崎自身はいったい何が言いたかったのか、それとも単に児童文学として大人と子供の葛藤を描いただけなのか、谷崎の作品群中極めて異質な作品と言えます。


DSC_1418_R

DSC_1417_R

DSC_1419_R